の病害は兵庫県立農林水産技術総合センターの西口さんの解説になります。

  • 池谷美奈子

    さん

    Minako Iketani

    研究実績・学会発表など(主にてん菜とたまねぎの病害研究に従事。)
       池谷美奈子・山名利一(2019)タマネギの小菌核病に対する効率的防除対策。
    植物防疫 73:162-166
       池谷美奈子・池谷 聡(2017)テンサイ褐斑病に対する防除薬剤の残効期間。
    てん菜研究会報 58:43-45
       池谷 聡・池谷美奈子(2017)テンサイ褐斑病防除における効果的な薬剤散布時期。
    てん菜研究会報 58:46-48
       池谷美奈子・野津あゆみ・白井佳代(2016)異なる接種時期からみたタマネギの灰色腐敗病に感染しやすい生育ステージ。
    北日本病害虫研究会報 67:108-111
       新村昭憲・池谷美奈子(2010)タマネギ白斑葉枯病の発生対応型防除。
    植物防疫 64:85 -91

  • 池谷美奈子 池谷美奈子

研究実績・学会発表など(主にてん菜とたまねぎの病害研究に従事。)
   池谷美奈子・山名利一(2019)タマネギの小菌核病に対する効率的防除対策。
植物防疫 73:162-166
   池谷美奈子・池谷 聡(2017)テンサイ褐斑病に対する防除薬剤の残効期間。
てん菜研究会報 58:43-45
   池谷 聡・池谷美奈子(2017)テンサイ褐斑病防除における効果的な薬剤散布時期。
てん菜研究会報 58:46-48
   池谷美奈子・野津あゆみ・白井佳代(2016)異なる接種時期からみたタマネギの灰色腐敗病に感染しやすい生育ステージ。
北日本病害虫研究会報 67:108-111
   新村昭憲・池谷美奈子(2010)タマネギ白斑葉枯病の発生対応型防除。
植物防疫 64:85 -91

病害虫図鑑 スケジュール
病害虫図鑑 スケジュール

    灰色かび病(白斑葉枯病)

    • 初発病斑 初発病斑

      初発病斑

    • 多発株(小菌核病混発) 多発株(小菌核病混発)

      多発株(小菌核病混発)

      • :灰色かび病
      • :小菌核病
    • :灰色かび病
    • :小菌核病
  • 灰色かび病(白斑葉枯病)

    発生する部位

    被害の特徴/見分け方

    初発時期は年によって異なるが、6月上~中旬頃から下葉に白色~淡黄色の小斑点を生じ、次第に上葉へ広がる。発病が進展すると葉身に枯れこみがみられる。病斑は長円形で、表面にかびを形成することはない。小菌核病との見分けは難しいが、本病の病斑は淡黄色で、また、周囲がぼやけていることが多いのに対して、小菌核病の病斑は白色で輪郭が比較的くっきりしている。

    発病しやすい条件

    多雨で高湿度に経過した場合に多発しやすい。2日以上の連続降雨または10mm以上のまとまった降雨の後7日以内に発生しやすく、特に平均気温18℃以上で初発する可能性が高い。初発期頃の病勢は緩慢で、7月上旬以降に進展し、7月下旬以降に急激に発病が進むことが多い。

    防除のポイント

    初発直後からの薬剤散布で防除が可能である。初発を見つけたら5日以内に散布を開始する。通常の散布は7~10日間隔で行う。15日間隔で散布可能な残効の長い薬剤も開発されている。発病初期からの薬剤散布が重要であるが、減収被害を防ぐため、球肥大が進む生育期後半の葉を維持するように防除する必要がある。散布の終了時期は、予想される倒伏期の15日前である。

    小菌核病

    • 初発病斑 初発病斑

      初発病斑

    • 多発株(葉先枯れあり) 多発株(葉先枯れあり)

      多発株(葉先枯れあり)

    • 菌核 菌核

      菌核

  • 小菌核病

    発生する部位

    被害の特徴/見分け方

    発生のはじめは中~下位葉に白色小斑点を生じ、やがて拡大して小豆形となる。病斑がさらに拡大すると病斑部から上部が枯れ、そこから折れ曲がって葉先枯れとなる。病葉の内側には白色綿状のかびが見られる。7月下旬頃には葉鞘基部や枯死葉に直径約1~7mmの菌核が形成される。灰色かび病(白斑葉枯病)との見分けは難しいが、本病の病斑は白色で輪郭が比較的くっきりしている。

    発病しやすい条件

    病原菌は子のう菌類の一種で、菌核上に生じた子のう盤から子のう胞子を飛散させ、たまねぎに感染する。気温が15℃前後で雨が多く、多湿となる条件で多発しやすい。北海道では、圃場で菌核上に子のう盤が形成されるのは早くて5月下旬~6月上旬で、感染のピーク時期は6月中~下旬と推定される。

    防除のポイント

    理論上は感染ピーク時期に薬剤を1回茎葉散布すれば防除可能であるが、正確に小菌核病の感染ピーク時期に薬剤を散布するのは困難である。このため、現場では6月中~下旬に2回散布(散布間隔は10~15日)することで感染ピーク時期をカバーできる。また、小菌核病と灰色かび病(白斑葉枯病)の両方に登録のある薬剤を使用して同時防除すると、散布回数を増やすことがなく効率的である。

  • ファンタジスタの上手な使い方

    灰色かび病(白斑葉枯病)・小菌核病の登録希釈倍率は2000~4000倍で、同時防除が可能である。2000倍は残効が長く、灰色かび病(白斑葉枯病)の15日間隔散布に使用できる。このため散布回数を減らすことが可能で、さらに、降雨が続いて畑に防除機が入れない場合でも安心である。混合剤を含めて同一系統の薬剤が連用とならないように注意が必要である。

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