Fumihiro Nishimura
ブロッコリーの黒すす病や花蕾腐敗病について日本植物病理学会で発表。
その他、イチゴのうどんこ病、炭そ病やレタス、麦類の病害についても研究を重ねる。
農薬の防除効果だけでなく、紫外線や次亜塩素酸水での殺菌効果・防除効果なども研究。
ブロッコリーの黒すす病や花蕾腐敗病について日本植物病理学会で発表。
その他、イチゴのうどんこ病、炭そ病やレタス、麦類の病害についても研究を重ねる。
農薬の防除効果だけでなく、紫外線や次亜塩素酸水での殺菌効果・防除効果なども研究。
※防除に際しては薬剤のラベルを確認して
登録のある薬剤を使用してください。
※防除に際しては薬剤のラベルを確認して
登録のある薬剤を使用してください。
地際部での発生
花蕾部での発生
茎葉、花蕾のほか、地際部に見られる。
花蕾や葉柄、地際部の茎などが淡褐色から暗緑色の水浸状に軟化、腐敗するが悪臭はない。地際部で発病すると、地上部のしおれが見られる。やがて、白色のカビ(菌糸)を形成し、その後、5mm程度の硬く黒色の菌核を形成する。
地温が15〜20℃で多湿が続くと、子のう盤(直径3〜7mmの浅いロート状の淡褐色の傘を持ったキノコ状)を形成し、約20日後に胞子を放出する。風によって植物に飛散、付着した胞子は16時間以上の多湿と約20℃の気温で感染する。
葉での輪紋症状
花蕾および葉での黒点症状
幼苗、生育中期以降に葉で見られたのち、花蕾に見られる。
葉では当初、黒色小褐点症状を示し、やがて輪紋症状を呈する。花蕾表面では黒色のカビを生じ、症状が進むと花柄にも黒点症状が見られる。
15〜20℃の気温と降雨によって長時間過湿条件が続くと発病しやすい。
キャベツでは種子伝染が報告されているので、育苗期に薬剤散布を行い、定植後、発病が顕著に現れる生育中期に薬剤散布を行う。香川県では、菌核病と同時期が薬剤散布の目安と考えられている。
葉裏での霜状のかびを伴う症状
葉のほか、若茎や花蕾に見られる。
子葉や葉では、淡黄褐色の不整形または葉脈で区切られた多角形の病斑を形成し、葉裏に白色の霜状のかびを生じる。花蕾直下の主茎や花柄などに、はじめ水浸状、のちに黒褐色で不整形の病斑を形成する。花蕾にも黒褐変症状が現れることもあり、主茎や花柄の内部の褐変も見られる。
10~15℃の比較的低温で発病し、降雨の続く春と秋に発生しやすい。窒素過多により、花蕾の発病が助長される。病原菌は被害残渣中で生存し、好適な条件になると胞子を形成して空気伝染する。病原菌は、カリフラワーやキャベツを侵すが、ダイコン、ハクサイ、カブを侵さない。
種子伝染が疑われているので、育苗期以降予防的に薬剤散布を行う。
花蕾での水浸状の症状
花蕾に見られる。
当初、花蕾表面に水浸状の症状が見られ、やがて濃緑色に変化し、症状が進むと花蕾内部まで腐敗が進行する。病原菌の種類によって、激しい腐敗臭がするものとしないものがある。
出蕾期に曇天、降雨が続くと発病が助長される。
多発圃場での連作を避けるとともに、水はけをよくする。
出蕾前に薬剤防除を行い、葉表面の菌密度の低減を図る。
葉緑の水孔部からの進展症状
幼苗、葉や花蕾に見られる。
育苗期では、子葉に黒変症状が見られ、やがて枯死する。葉では縁に褐変が見られ、やがて中央に向かって楔形に進展する。花蕾に発生すると黒変、腐敗する。
汚染した種子または、培土に付着した病原細菌が幼苗に伝染する。本圃では、苗による持ち込みや土壌中の病原細菌からの伝染が見られる。15〜28℃で断続的な降雨による相対湿度が発病を助長する。
消毒種子を用い、育苗期以降予防的に薬剤散布を行う。多発圃場での連作を避け、発病株を圃場外に排出し、伝染源となるアブラナ科雑草を除草する。ハムシやコオロギなどの食害痕から病原細菌が侵入するので、殺虫剤散布も怠らないこと。
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