Kawakami Taku
※防除に際しては薬剤のラベルを確認して
登録のある薬剤を使用してください。
※防除に際しては薬剤のラベルを確認して
登録のある薬剤を使用してください。
罹病果
軸部分での発生
花弁での発生
ゴーストスポット
(リング状病斑)
果実、葉、花弁に多く発生する。多発条件では、茎、葉柄にも発生する。
果実にも多く発生し、減収につながるため、経済的被害が大きい病害である。摘心部位や葉かき跡などの傷痕から感染するとその上位はしおれ、最終的に枯死することがある。圃場内の菌密度が高い場合、果実表面に白色リング状の病斑(ゴーストスポット)を生じる。
20℃前後の比較的冷涼な気温、高湿度条件が持続すると発病しやすい。
施設栽培では特に換気を十分に行い、多湿条件にならないように心がける。病勢進展が早いことから、発病前からの予防散布が特に重要である。罹病果や罹病葉などは速やかに取り除き、施設外へ搬出する。また、耐性菌の発生リスクが高い病原菌であるため、同系統薬剤の連続散布を避けるよう注意する。
暖房機器の稼働時間が短くなる3月頃から発生が多くなる。発生前に本剤を予防的に散布することにより、灰色かび病発生のリスクを軽減し、効果的に発病を抑制できる。
なお、本剤は耐性菌発生リスクの高いQoI剤であるため、連用は避け、使用回数は1作1回までの散布を心がける。
病斑(葉表)
初期病斑(葉裏)
病斑(葉裏)
(ビロード状の密生したかび)
主に葉に発生するが、多発すると茎や果実にも発生する。
初め、葉の表面の一部がわずかに黄変し、裏面には灰白色の病斑を生じる。次第に灰褐色のビロード状のかびを密生するようになる。下位葉から発生し、次第に上位葉にも蔓延する。初期病斑では、すすかび病との判別が困難であるが、葉かび病では、より立体的にかびが密生することが特徴である。
葉かび病菌は、95%以上の多湿および20〜25℃の温度条件を好む。密植による多湿条件や、肥料切れおよび着果負担による草姿の衰えが発生を助長する。
多湿条件となると本病も多発するため、過度の灌水や密植を避ける。近年は、抵抗性品種の利用が対策の中心となっているが、抵抗性を打破する菌株(レース)も確認されている。多発すると防除が困難となるため、予防散布を心がける。また、同一系統薬剤の連用を避けることも重要である。
病斑(葉表)
初期病斑(葉裏)
病斑(葉裏)
主に葉に発生する。
葉の表面に不明瞭な退緑斑を生じ、発生が多くなると表面にも胞子を形成する。葉かび病の病徴との判別は難しいが、葉の表面に黒褐色のかびを多く生じること、裏面に密生するかびが平面的であることなどの特徴により簡易判別ができる。
多湿条件で発生する。本菌の生育適温は26〜28℃であり、比較的高温条件で発生が多くなる。葉かび病が肥料切れや着果負担による草姿の衰えにより発生しやすくなるのに対して、すすかび病は草勢が旺盛な場合でも発生する。
感染から発病までの潜伏期間が長いため、感染前に予防効果の高い殺菌剤による散布を行う。多湿条件で発病しやすいため、密植、過繁茂を避け、換気を十分に行う。また、病原菌は被害植物の残渣等で生存することから、被害葉は圃場外に持ち出して適切に処分する。
株全面に発生した様子
軸部分での発生
主に葉に発生するが、多発時には葉柄、果実(へた部分)、軸部分にも発生する。
2種類の病原菌(Oidium属菌、Oidiopsis属菌)によって引き起こされる。Oidium属菌による病斑は、葉の表面にうどん粉のような白いかびを生じる。一方、Oidiopsis属菌によるものでは、葉の裏面に不鮮明な白いかびを生じるが、被害部分の葉の表面は黄化する。
施設栽培での発生、被害が多く、窒素質肥料の過多や生育後期に発生することが多い。また、比較的乾燥条件で発生し、胞子発芽適温は20〜25℃である。
多発すると防除が難しくなることから、初発を確認したら速やかに効果的な薬剤による防除を行うことが重要である。
初期症状
(茎頂部の萎れ)
末期症状
(枯死状態)
不定根
(青枯病発生圃場で確認)
土壌病害であることから、株全体で症状が認められる。
はじめ、株の先端部が日中に萎れる。朝夕や曇天、雨天時には症状が回復するが、やがて株全体が急速に萎凋し、最終的に枯死する。地際部の維管束は褐変することが多い。茎の切断面を水に漬けると白色の菌の塊(菌泥)が確認できることが多い。茎頂部の萎れが確認される前には、茎に不定根(二次的に発生する根)を生じることもある。
地温30℃以上の高温時期を中心に発生する。連作圃場や土壌消毒が行われていない圃場では発生しやすい。
耐病性程度の高い台木品種を利用する。また、定植前には土壌消毒を行う。発病株は、見つけ次第速やかに抜き取り処分する。ハサミ等を用いた管理作業によっても、二次伝染が生じることから、作業器具等の洗浄や殺菌により、被害を広げないことが重要である。
茎頂部の萎縮症状
罹病株
新葉から症状が認められる。
Tomato Yellow leaf curl virus(TYLCV)を病原とするウイルス病で、タバココナジラミによって媒介される。感染するとトマトの新葉が葉縁から退緑し、葉巻症状となる。後に葉脈間が黄化し、縮葉症状を呈する。発病が進むと節間が短くなり株全体が萎縮症状となる。
本ウイルスの伝染源は主にトマトであるため、施設周辺にトマト残渣や雑草化したトマトが放置されている場合は、リスクが高い。タバココナジラミの発生が多くなる夏期に感染の機会が増加する。感染から病徴発現までの潜伏期間は、7日〜20日程度とされる。
健全苗を利用する。育苗〜生育初期にかけてタバココナジラミ防除を徹底する。また、栽培終了時までタバココナジラミの密度を抑制する管理を心がける。施設開口部へ0.4mm目合いの防虫ネットを設置して、タバココナジラミの侵入を抑制する。発病株を発見したら早期に抜き取り、他の株への感染拡大を防止する。施設周辺にトマトの残渣を放置しない。また、雑草化したトマトは伝染源となるので除去する。
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