Vol. 10

平取町野菜生産振興会トマト・胡瓜部会 石浦部会長に聞く

2012年1月17日

幌尻岳の裾野に広がる平取町は、日高山脈を源とする沙流川が運んだ肥沃な大地と澄んだ水のおかげで農畜産業が盛んです。日高自動車道のインターチェンジを降りるとあちこちに点在するビニールハウスが視界に入ります。そのハウスのほとんどでトマトが栽培されています。栽培面積は100haを越え、北海道全体の40%近くを占めています。
トマトはペルーやエクアドルなどのアンデスの高原地帯を原産とする果菜で、冷涼で乾燥した気候を好みます。平取町は北海道の中でも冷涼な気候で、まさにトマトの栽培に最適です。

大地の恵みとトマトの性質に合った気候に加え、農家・農協のたゆまぬ努力によってトマトは平取町の数ある特産品の1つとなり、トマトやその加工品を「ニシパの恋人※」の名前でブランド化しています。

  • ニシパとはアイヌ語で紳士、旦那、お金持ちを表します。

エコショットは葉かび病に効く

6月22日に2年前からエコショットをご愛用いただいている、平取町野菜生産振興会トマト・胡瓜部会の石浦政司部会長を訪ねました。
石浦部会長は大玉トマトをハウス22棟、面積にして2,240m2で栽培されています。収穫したトマトは主に関西へ出荷しています。
エコショットを採用する前は別の生物農薬を使用していましたが、葉かび病に悩まされていました。そこで、葉かび病に効果があるエコショットに切り替えていただきました。
石浦部会長は「効き目は良いと思っているから、今でも使っています。灰色かび病、葉かび病の両方に効くから使いやすい。果実の汚れの問題もない」と高く評価されていました。

石浦部会長のエコショット使用方法

本圃では10~15日間隔で病害虫防除をおこなっています。エコショットは春先の早いうちに1回散布し、その後化学農薬を2~3回散布し、その後にエコショットをつなげる使い方をしています。使用回数は栽培期間を通じて2~3回です。葉かび病は一度発生するとなかなか止まらないので、このような体系散布で予防・蔓延防止に努めています。葉かび病抵抗性品種も導入していますが、抵抗性の打破はいつ起こるかわからないので、防除はしっかりとおこなっています。

平取町はエコショットの出荷量日本一

JA平取町のトマト農家は減農薬栽培(Yes! clean)に取り組んでおり、微生物農薬は大事な資材です。そのおかげで日本一のエコショット出荷量を誇っています。
JA平取町のトマト農家は減農薬栽培(Yes! clean)に取り組んでいます。
「効果があるからみな使用している」
石浦部会長のお言葉です。
今後も現場のニーズに合ったエコシリーズを展開していきたいと思います。

エコショットとは

自然界に存在する細菌バチルス ズブチリスD747菌の芽胞を有効成分とする園芸・果樹用の微生物殺菌剤です。発病前に散布することにより、植物体上で病原菌より先に定着し、病原菌の活動を抑制することにより防除効果を発揮します。

エコショットの特長

  • 果菜類やぶどう、かんきつの灰色かび病、トマト・ミニトマトの葉かび病、なしの黒星病、にらの白斑葉枯病に有効です。
  • ぶどうの灰色かび病に対して収穫前日まで使用が可能です。
  • 拮抗細菌を有効成分とする微生物農薬です。
  • 発病前に散布することにより、植物体上で病原菌より先に定着し、病原菌の活動を抑制することにより防除効果を発揮します。
  • 既存の微生物農薬と比べ果菜類に対する汚れが極めて少なく、取り扱いが容易な顆粒水和剤です。
  • ミツバチ、マルハナバチなどの有用昆虫に影響が少ない薬剤です。
  • 生菌の微生物農薬ですので、特別栽培農産物に於いて使用成分回数にカウントされません。(実際の使用、農産物表示にあたっては、地方公共団体等の認証機関にお問い合わせください。)