サステナビリティ

人と自然が調和する、
豊かな社会を届けるために。

クミアイ化学工業では「創造する科学を通じて『いのちと自然を守り育てる』」を企業理念として、「食料の確保」「環境の保全」への貢献を目指しています。
地球全体の課題の解決を通じて持続可能な社会の実現に貢献することは、私たちにとって大切な使命です。当社は研究開発型の企業として、新しい農薬や化成品、新技術の開発、その提供を通じてサステナブルな社会の実現に貢献していきます。
誰もが安心して暮らせる豊かな社会を次世代に届けるために、クミアイ化学工業は挑戦を続けます。

食料の確保
環境の保全

食料の確保地球上のすべての人に
十分な食料を

飢餓と貧困の解消は今や世界共通の重要課題です。特に異常気象、途上国の人口爆発等によって食料の安定確保は困難になりつつあり、慢性的な栄養不足に直面する人々はさらに増えていくことが懸念されます。こうした食料問題の解消に向け、農業の生産性向上に寄与するのが農薬です。

TOPIC
01

変革期を発展へのチャンスに~農業イノベーションの取り組み~

省力化に向けたアプローチ

およそ20年前に販売を開始した「豆つぶ剤」が、今また新たなイノベーションをもたらしています。販売開始当初革新的とされた、農作業の労力軽減につながる軽量で拡散性に優れるという特長。これを活かし、今日ではスマート農業への適用を確認しつつ、ドローン散布での実用に向けた普及を進めています。また、農薬散布は機械作業と密接に関わっていることから、当社製品と農業機械のマッチングを目指して農機メーカーとのコラボレーションも実施。その過程においては農機メーカーと相互のフィードバックを行うなど、より強固な協力体制も構築しています。仕事への熱い想いからオリジナルの散布機械を自分で作ってしまう社員もいるほどです。今後もさらなる省力化に向け、イノベーションを追求していきます。

生産者様の声に耳を傾けながら

農業イノベーションの取り組みを支えているのは、生産者様のお役に立ちたいという強い想いです。省力化に対する生産者様のニーズは根強く、当社の農業イノベーションはその声に耳を傾けるところから始まっています。一つひとつの声の中から見つけ出した生産者様のニーズを研究開発サイドにフィードバック。研究成果とマッチングさせることで、新たなソリューションとしての新製品開発に結びつけています。その結果としてコスト削減や収穫量増加による生産者様の経営改善が実現できたときこそが、私たちにとっての一番の喜びです。農業に関わる企業としての使命感が、さらなるイノベーションの推進力となっていきます。

コンサルティング機能の充実へ

テクノロジーの発達はスマート農業の実現など、農業の生産性を大きく変える可能性をもっています。今後はICT・IoTに適応した農薬の散布技術の開発にも力を入れ、さらなる農業イノベーションに取り組んでいきます。また変革期の今、耕地面積の集約によって大規模経営への移行が進むと予想されます。先進的な経営理念を持った農業者との関係性強化が必要にもなるでしょう。こうした変化に合わせ、当社ではJAグループと連携しながら、生産者様への経営支援につながるコンサルティングサービスを充実させたいと考えています。

TOPIC
02

すべては現場から始まる~生産者様に寄り添った製品戦略と普及活動~

生産者様とともに取り組む

南北に長く、気候も多様な日本では、地域によって農業を取り巻く環境は大きく異なり、病害虫1つとっても違いがあります。製品の開発と普及を進めるにはまず生産者様の声を丁寧に聞き、地域ごとの本質的な問題を探し出すことから始めなくてはなりません。その結果見つかった課題を解決するために、生産者様と勉強し、農薬の安全性などの試験も共に行い、さらにはその結果を研究開発の現場にもフィードバックすることを心がけています。環境の異なる各地域の事情に即した課題解決に取り組み、その事例を積み上げていくことで、日本各地での食料の安定的な生産に貢献していきます。

継続することで道を拓く

自社の農薬がどのように現場で使われ、収穫増にどのような貢献ができているか、常に生産者様の視点でとらえることが仕事のやりがい、面白みにつながっていきます。生産者様の多くは新しい農薬の導入に慎重で、不安をお持ちのことも少なくありません。現場に出向き、説明を重ねることで生産者様の不安を一つひとつ払拭し、試験的な使用を重ねることで、効果を実感していただく。時間はかかっても、地道な活動で生産者様との信頼関係を築き上げていくことでしか道は拓かれません。この取り組みを支えているのは、必ず生産者様のためになるという強い信念。自社製品に対する確かな自信と高い志が、普及活動の背中を押しています。

人財育成と啓発活動

農薬に対する社会の視線にはネガティブなものも含まれているかもしれません。しかし、高い品質を保ちながら農作物の収穫量をあげていくためには、農薬の存在は不可欠です。農薬が農業の省力化や生産性の向上に貢献していることは間違いありません。当社の今後のテーマは、そうした強い誇りを胸に製品開発と普及活動に取り組む人財の育成です。デジタルコンテンツも活用し、社員教育には今まで以上に力を入れていく考えです。さらに、業界のリーディングカンパニーとしての責任のもと、社会に向けて農薬の必要性・安全性を伝えていく啓発活動にも力を入れていきます。

TOPIC
03

安定した食料生産を世界で~農業技術の海外展開~

インドの経済成長に貢献

当社は世界各地に拠点を置き、約50ヵ国に自社開発農薬を供給しています。例えば経済発展が著しいインドでは、国の成長を支える工業や建設業の労働力を農村が供給しているため、農業の省力化が必須の課題となっていました。そこで当社では水稲用除草剤「ノミニーゴールド」の普及を推進し、農作業の軽減に貢献。ある程度の大きさに成長した雑草を枯らす茎葉処理剤として、インドでは初めて大々的に紹介され、その反響は非常に大きいものでした。除草作業の省力化によって生まれた農村の余剰労働力が工業分野へ流入し、経済発展を後押し。さらに労働者の現金収入が農村に環流されて貧困の改善に寄与するなど、インド社会に大きな貢献をもたらしました。

貧困脱出と食料の安定供給

2021年に発行された報告書「世界の食料安全保障と栄養の現状」によれば、2020年の世界の飢餓人口は約8億1100万人と推計されています。残念ながらこの数字は増加傾向にあり、食料の安定供給と栄養状態の改善は世界的な課題となっています。当社の取り組みが飢餓の状況を改善し、持続可能な農業を推進する上での貢献につながっていくと考えています。製品の開発や供給に加え、普及活動や技術指導といった幅広い取り組みを通じて途上国の貧困脱却と食料の安定供給を進めていくことは、グローバルな視点での課題解決に貢献するやりがいがあります。

飢餓ゼロの世界を目指して

世界の安定した食料生産に貢献するため、当社は世界各国で農薬登録の取得・維持に努めています。もちろん国や地域によって食料事情や栽培環境は異なるため、現地販売会社や商社等との協力のもと、普及活動に取り組んでいかなくてはなりません。目指すのは、飢餓ゼロの世界。現地密着の姿勢で、この目標に向けた歩みを続けていきます。

環境の保全次の世代へつなぐ安心な環境づくり

環境問題に対する社会的意識の高まりは、世界共通のものとなっています。また、環境保全型農薬も大きく注目されています。今後も最先端の科学メーカー、クミアイ化学工業として「食料の確保」と同時に「環境の保全」に対する責任を果たしていきたいと考えています。人と自然が調和する豊かな社会の実現のために、クミアイ化学工業は農業や暮らしに貢献できることをさらに追求していきます。

TOPIC
01

人と環境にやさしい農業~環境保全型農薬への取り組み~

生産者様と周辺環境への思いやり

効率的な農業生産に貢献するとともに、環境負荷低減にも有効である微生物農薬「エコシリーズ®」は、自然界に存在する微生物に着目し、当社の独自技術によって開発された農薬です。化学農薬と同程度の価格で安定的に供給できる体制を実現し、生産者様の環境保全に対する意識の高揚も促しました。また、豆粒大の製剤が自己拡散することで有効成分を水田全体に広げる「豆つぶ剤」は、農薬散布の労働負荷を軽減するとともに、周辺環境への薬剤の飛散(ドリフト)も低減します。

ハードルが高いから志も高くなる

農薬はさまざまな法的規制を受けることに加え、製剤として安価に製造でき、安定的に流通させることも求められます。それらの課題をクリアしつつ、実際の農耕地においても十分な薬効を実現するという、非常に高いハードルを乗り越えていくことが、研究開発の一番の醍醐味です。当社の製品開発は、生産者様のニーズを踏まえた研究者の発想からスタートすることが多く、製剤や流通にまで踏み込んだ製品づくりを行っています。上流から下流までトータルに携わるので、開発した製品が発売される際にはひときわ大きな喜びが得られます。営業場面では、主体的な学びによって得た自信を確かな推進力に変え、強い意志で環境保全型農薬の普及に取り組んでいます。

環境保全に向けた新技術の開発に挑む

現在当社が力を入れているのが、温室効果ガス低減技術やバイオスティミュラントといったサステナビリティに貢献できる新技術の開発です。水田はメタン発生源の一つですが、当社では水田中のメタン生成菌の生育を抑制する技術の開発に取り組み、既に特許を取得。今後は実用化に向けた取り組みを進めていきます。また気候環境の変化等に対応するための資材として世界的に注目されているバイオスティミュラントの開発にも挑んでおり、確かな手応えを得ています。

TOPIC
02

農薬への想いを推進力に~生産活動における環境負荷の低減~

環境マネジメントシステムの確立

ESGを重視した企業活動を推進している当社では、環境マネジメントシステム(ISO14000)の認証を約20年前に取得。生産に関わるすべての事業活動の中で、省資源・省エネルギーの推進、3R(リデュース・リユース・リサイクル)の推進、産業廃棄物の削減・適正処理について継続的な改善を図っています。当社は年間原油換算エネルギーの使用量合計が1500kL以上の特定事業者であり、最もエネルギー使用量が大きい静岡工場も含めて、前年度比1%以上のエネルギー消費原単位の削減を行っています。地道かつ着実な取り組みを継続することで、地球環境の保全に貢献しています。

化学メーカーとしての自覚のもと

化学品、特に農薬に対する一般社会の目は厳しく、環境に悪影響を与える化学物質であると受け止められることもあります。しかし農薬は、あらゆる生物はもちろん、環境に対する影響についても厳しい試験が課せられ、登録の取得までには長い時間を要する化学物質です。また、開発に際しては1つの農薬の開発に約10年もの期間が費やされています。だからこそ当社の社員は製品に強い誇りを持ち、最先端の化学メーカーとして生産における環境負荷の低減にも真剣に取り組んでいます。この姿勢が揺らぐことはありません。

サステナビリティ経営の推進

前述のように当社はサステナビリティ経営を推進しており、中期経営計画においても「ESGを重視した企業活動」を重要方針として掲げています。それが研究開発型企業ならではの使命と受け止めているのです。
農薬を通じて農業、ひいては持続可能な社会の実現に貢献したいという想いを抱く方や、食料問題の解消・環境保全への取り組みに関心のある方がいらっしゃると思います。就活生の皆様には、そんな“こだわり”を力に変えて、当社で活躍していただきたいと考えています。

人と自然が調和する、
豊かな社会を届けるために。

クミアイ化学工業のチャレンジ──それは新しい時代を創造しつつ、大切な地球を次世代へ確実に受け渡していくためのアクションです。それを可能にする製品も事業も、すべて人の熱い想いと確かな技術によって支えられています。
未来に向けた次の一歩をともに踏み出してくださる方を、クミアイ化学工業は心から歓迎します。