研究開発戦略
研究開発方針
クミアイ化学は、創造する科学を通じて「いのちと自然を守り育てる」ことをテーマとして、農産物の安定供給や豊かな社会の実現のため、サステナブルでESGに配慮した新農薬や化学品の創製研究に取り組んでいます。
化学研究所および生物科学研究所による、新規化合物の探索合成、生物評価、製剤化、工業的製造法確立までの一貫した研究開発体制で、市場ニーズに即した独創的、高付加価値の製品開発を行っています。
さらに、化学研究所では高い安全性を持つ農薬開発技術を生かし、医薬中間体・高分子材料等のファインケミカル製品の研究開発も行っています。
研究開発戦略
研究開発部門の使命は、革新的な技術開発により研究領域および事業領域の拡大を実現し、技術力で豊かな社会の実現に貢献することと考えています。これを推進する原動力は人財であり、優秀な人財の確保、育成、やる気が出る職場環境作りなど、将来の当社を支える人財育成に積極的に取り組んで行きます。そのためには豊かな発想を生み出す環境や、それをサポートする研究設備の導入など、研究効率を高めていくことが必須だと考えています。
クミアイ化学工業の研究開発体制は、いずれも静岡県内に拠点を置く化学研究所(創薬研究センター、プロセス化学研究センター、製剤技術研究センター)と生物科学研究所(農薬研究センター、生命・環境研究センター)が中心となっています。化学研究所は、3つの化学系研究センターを2023年10月に統合し、新たな化学研究所(Shimizu Innovation Park/ShIP)として稼働を開始しています。研究開発力を集約した最新鋭の研究所で、AIを活用した創薬や異分野融合によるイノベーションの創出を目指します。同様に、生物科学研究所でもDXによる最先端の研究拠点の整備を進めており、国内外の研究拠点も含めて研究領域および事業領域の拡大に取り組みます。
さらに、産官学連携を活用したオープンイノベーションによる新技術開発にも積極的に取り組み、革新的な技術の創出に向けて研究開発のスピードアップを図ります。
農薬及び農業関連事業
農薬及び農業関連事業では水稲用殺菌剤「ジクロベンチアゾクス」の農薬登録を取得し、そのブランド名を「ディザルタ」としました。2020年12月には「ディザルタ」を含む水稲用殺虫殺菌箱粒剤3剤を上市する一方、「ディザルタ」含有剤は他社からも販売が計画されるなど、今後も商品ラインナップの充実を図り、ブランド構築を進めていきます。さらに、自社開発新規剤のパイプラインとして新規殺ダニ剤や生物農薬やバイオスティミュラントの開発を進めており、継続的な新剤の開発に取り組みます。
またグループ会社の理研グリーンのグリーン研究所も加え、新規有効成分の探索合成から生物評価、安全性・環境科学評価、製剤技術開発、工業的製造法の確立まで一貫した研究開発体制を敷き、よりスピーディーで効率的な研究開発を進めていきます。
化成品事業
化成品事業では、グループ会社のイハラニッケイ化学工業、ケイ・アイ化成などと、高分子原料、医農薬中間体、電子材料、染料といった分野での研究開発に取り組むとともに、農薬事業で培った有機合成技術を駆使した受託製造ビジネスの拡大を進めます。更なるグループ企業との技術交流を進め、化成品事業を当社事業の第二の柱とするべく成長させていきます。