研究開発体制

日本においてクミアイ化学工業は、化学研究所(プロセス化学研究センター、製剤技術研究センター、創薬研究センター)と生物科学研究所(農薬研究センター、生命・環境研究センター)を研究拠点としています。これら研究センターが連携することで、さまざまなニーズに対応できる 研究体制をとっています。

研究開発体制図

研究所

化学研究所および生物科学研究所による、新規化合物の探索合成、生物評価、安全性・環境影響評価、製剤化、工業的製造法確立までの一貫した研究開発体制で、市場ニーズに即した独創的、高付加価値の新農薬の研究開発を行っています。世界各国に展開した海外拠点とも連携し、ふたつの研究所が有機的に協力することによって、農薬製品に留まらず、グローバルの社会ニーズに応えるために広い領域で研究を行います。

研究所体制図

化学研究所(創薬研究センター)

農薬開発の出発点となる新規生理活性物質の構造探索とその合成研究を行います。最新の有機合成技術を駆使して新規化合物を合成するとともに、化合物の物理化学性を測定し、薬剤挙動の解析や予測を行います。作用点に対する化合物の親和性やAIから得られる情報を利用して、最先端の創薬研究に取り組みます。

研究室

  • 植物制御剤研究室
  • 害虫防除剤研究室
  • 病害防除剤研究室
  • 物性研究室

生物科学研究所(農薬研究センター)

創薬研究センターで合成された新規化合物について農薬としての性能評価を行い、合成の方向性をフィードバックします。この地道な取り組みを繰り返すことにより、新農薬の有効成分を創製します。さらに、こうして生まれた農薬原体を活用し、農家の皆さまが実際に使用する農薬製品を開発します。また、微生物農薬やバイオスティミュラント等の研究も行い、社会ニーズに応える新たな商品価値を創造します。農薬研究センターの研究は、日本国内では北海道、宮城県、静岡県の研究拠点が連携して行います。グローバル市場のニーズに応えるためには、米国のミシシッピ試験場をはじめとして各国の研究拠点で実用化を検討し、世界の農業生産に貢献する農薬製品の創製・開発を目指します。

研究室

  • 害虫防除研究室
  • 病害防除研究室
  • 植物制御第一、第二研究室
  • 栽培育種研究室
  • 東北防除技術研究室
  • 札幌試験圃場

生物科学研究所(生命・環境研究センター)

開発候補化合物の人畜安全性と環境影響について評価することにより将来にわたり安全・安心な新農薬を開発するためにとても重要な機能を果たします。また、農薬の標的組織に対する作用機構や生物体内での代謝機構等を明らかにすることで新農薬の機能や安全性を科学的に解明します。さらに、環境科学やバイオテクノロジー等の研究で蓄積された技術を活用することで、新たな社会ニーズに応える製品開発ための研究が行われます。

研究室

  • 環境科学研究室
  • 安全性評価研究室
  • バイオテクノロジー研究室

化学研究所(製剤技術研究センター)

有効成分の性能を最大限に引き出すこと、農家が安心して使用でき省力化に貢献すること、作物や環境に対して安全なことを備えた農薬製剤を開発するための研究を行います。農薬研究センターと連携して効果が高く農家が使いやすい製剤の開発を目指し、工場とも連携して安全に効率よく製造できる製剤を設計します。「豆つぶ」のように、農薬散布にかかる作業を飛躍的に軽減する独創的な製剤は製剤技術研究センターの研究によって生まれます。

研究室

  • 植物制御剤研究室
  • 病害虫防除剤研究室
  • 工業化研究室

化学研究所(プロセス化学研究センター)

新農薬原体となる化合物を安全に、そして安価に製造するための製造プロセスの開発研究を行います。研究室内から小スケールプラントを経て、実際の化学工場での設備のための技術開発と工業化検討を行います。また、設備の設計や廃棄物処理についても検討します。また、医農薬中間体や高機能化学品などの様々な分野の化成品の開発研究も行い、事業領域の拡大を目指します。

研究室

  • 技術開発研究室
  • 工業化研究室
  • 分析研究室
  • 化成品研究室

化学研究所(Shimizu Innovation Park/ShIP)

当社のモノづくりの中核をなす化学研究所は、静岡県内に点在していた3つの化学系研究センター(創薬研究センター:磐田市、製剤技術研究センター:静岡市、プロセス化学研究センター:富士市)を統合し、クミアイ化学工業の創業の地である静岡市清水区で2023年10月から稼働を開始しました。
「Shimizu Innovation Park/ShIP」は化学研究所の愛称です。創業の地である清水から大海原への航海をイメージし、異分野が集い連携を強化することによるシナジーや新たなイノベーション創出への期待が込められています。

海外事業所

世界各国で問題となる病害虫や雑草に有効な農薬、また、世界中の様々な作物の栽培体系や土壌条件においても有効な農薬を開発するため、新農薬の開発研究はグローバルで行われます。米国のミシシッピ州の広大な圃場の他、フランス、タイ、ミャンマーなどの研究拠点で初期評価を経て、K-I Chemical USA等の関連会社を通して実用化評価が行われます。

K-I Chemical USA
ミシシッピ試験場