イノベーション事例 エフィーダ

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エフィーダ(有効成分名:フェンキノトリオン)は防除が難しい除草剤抵抗性雑草や難防除広葉雑草をはじめ、さまざまな雑草に高い除草効果を示しますが、水稲に対しては極めて高い安全性を示し、効果と安全性を両立した汎用性の高い水稲用除草剤です。

エフィーダを含有した製品・ベッカク

創製研究を開始するにあたり、「広範な除草効果を有する抵抗性対策と水稲に対する作物安全性の両立」を研究目標として設定し、4-HPPD阻害剤の化学構造に着目した構造変換を開始しました。そして、ひた向きで妥協なき構造変換と生物評価によって、高い除草効果と水稲に対する安全性を極めて高いレベルで両立したエフィーダが生まれました。

エフィーダは、水稲栽培で問題となるイヌホタルイ、コナギ、アゼナ、ミズアオイ、オモダカなどの一年生広葉雑草から多年生の難防除雑草にまで卓越した除草効果を示すだけではなく、これまでの農薬とは作用性が異なるために、既存除草剤抵抗性雑草にも高い効果を示すため、一発処理除草剤の基幹成分としても抵抗性対策成分としても利用できます。

また、従来剤は、飼料稲など一部の品種に強い薬害を生じるために使用が制限されている中、エフィーダは稲が一般的に保有する代謝酵素によって特異的分解されるため、水稲品種を問わず使用することができます。高い水稲安全性を実現したことで、エフィーダは水稲品種、使用時期、剤型を問わず、さまざまな施用方法が可能な画期的な水稲用除草剤となりました。

エフィーダは、現在多くの会社の水稲用除草剤の主要成分として使用されています。当社では幅広く安定した除草効果と高い水稲安全性を生かして、豆つぶ剤やジャンボ剤に代表される省力化製剤も商品化することで、農家の高齢化や大規模化など、多様化する栽培体系を支える技術を提供しています。
2022年には、「水稲用除草剤フェンキノトリオンの開発」で日本農薬学会 業績賞を受賞しました。

賞状画像