【抑草剤】
グラスショート液剤
ビスピリバックナトリウム塩液剤
SDS(安全データシート)
公益財団法人日本中毒情報センターへの問い合わせ方法は「一般市民向け受信相談について」をご参照ください。
登録番号 | 第19643号 [クミアイ化学工業㈱ 登録] |
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成分 | ビスピリバックナトリウム塩 3.0% |
性状 | 淡黄色澄明水溶性液体 |
毒性 | 普通物(毒劇物に該当しないものを指していう通称) |
危険物 | 非該当 |
販売地域 | 全国 |
有効年限 | 4年 |
包装 | 500ml×20本 |
作用機構分類番号 (RACコード) |
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- チラシ・技術資料関連
- その他関連情報
「その他関連情報」はありません。
特長
- グラスショート液剤は、当社が開発した抑草剤です。
- 雑草の草丈を抑制、または一部枯死させるので、重労働で危険を伴う畦畔、農道、水路などの法面(傾斜地)の草刈り作業の回数や管理労力の軽減ができます。
- 雑草の茎葉部から吸収され、チガヤなどの多年生イネ科雑草やスギナ、ヨモギなどの多年生広葉雑草に対して、生育を長期間抑制します。一年生の広葉雑草やギシギシなどには枯殺効果を示します。
- 非選択性除草剤のように雑草を完全枯殺する作用とは異なり、雑草の草丈を抑制する作用のため、裸地化による土壌流亡を防ぎ、景観を保持します。
- キシュウスズメノヒエ、イボクサなどの畦畔からの侵入雑草に対しても強い抑草効果、枯殺効果を示します。
- やっかいなクズにも枯殺効果があります
- 米の品質をおとす斑点米カメムシの棲家となっている畦畔を抑草することにより、被害を減らすことができます。
- ドリフトによる稲への薬害の心配は少ない薬剤です。
適用雑草と使用方法
作物名 | 適用場所 | 適用雑草名 | 使用時期 | 薬量 | 希釈水量 | 本剤の使用回数 | 使用方法 | ビスピリバックナトリウム塩を含む農薬の総使用回数 |
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水田作物(水田畦畔) | 水田畦畔 | イボクサ | 生育期(但し、収穫前日まで) | 300~500ml/10a | 50~100L/10a | 3回以内 | 雑草茎葉散布 | 3回以内 |
林木 | 林地 | クズ | 生育初期(5月~6月) | つる径:使用量(ml/株)2.0cm以下:0.5、2.1~3.0cm:1.0、3.1~4.0cm:1.5、4.1~5.0cm:2.0、5.1cm以上:適宜増量 | 原液 | つる注入処理 | ||
樹木等 | 公園、庭園、堤とう、駐車場、運動場、宅地等 | |||||||
生育期 | 500~1000ml/10a | 100~200L/10a | 植栽地を除く樹木等の周辺地に雑草茎葉散布 |
作物名 | 適用場所 | 適用雑草名 | 使用目的 | 使用時期 | 薬量 | 希釈水量 | 本剤の使用回数 | 使用方法 | ビスピリバックナトリウム塩を含む農薬の総使用回数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
水田作物(水田畦畔) | 水田畦畔 | 一年生雑草 多年生雑草 | 草丈抑制による刈り取り軽減 | 雑草生育初期(草丈10cm)及び草刈り後10~20日の雑草再生期(但し、収穫前日まで) | 300~500ml/10a | 通常散布50~100L/10a、少量散布25L/10a | 3回以内 | 雑草茎葉散布 | 3回以内 |
樹木等 | 公園、庭園、堤とう、駐車場、運動場、宅地等 | 雑草生育期又は刈取後(草丈30~50cm) | 500~1000ml/10a | 通常散布100~200L/10a、少量散布25~50L/10a | 植栽地を除く樹木等の周辺地に雑草茎葉散布 |
上手な使い方
グラスショート液剤は水田の畦畔や農道、水路などの法面(傾斜地)の雑草の抑草剤として開発した薬剤です。本剤の特長を十分に発揮させるために下記の点に注意し、使用してください。
[使用場所]
- 一年生から多年生まで植生が多様な水田の大型畦畔、農道、水路などの法面(傾斜地)に使用してください。
- ノシバを畦畔の被覆植物として利用している場合、グラスショート液剤はノシバにほとんど影響を与えませんので、安心して使用できます。
- 広葉雑草主体の狭い畦畔などでは、雑草が枯殺されることで抑草効果が得られない場合があります。
- 果樹および有用植栽木の近くでの使用は避けてください(茎葉部へのドリフトは葉の黄化、落葉、枯死などの薬害を、樹冠内・根元の散布は根部からの吸収による薬害を生じることがあります)。
- ノシバを畦畔の被覆植物として利用している場合、グラスショート液剤はノシバにほとんど影響を与えませんので、安心して使用できます。

[各種雑草に対する作用性]

- チガヤなどの多年生イネ科雑草主体の場所に散布してください。ヨモギ、イタドリ、スギナ等の多年生雑草が混在しても、抑草効果を発揮します。
- オヒシバ、イタリアンライグラス、カラスムギ等の一年生イネ科雑草主体の場所では抑草効果が短くなります。
- シロツメクサ、オオバコ等に対しては枯殺するので、これらの雑草が主体の場所では使用をさけてください。
- キシュウスズメノヒエ、イボクサ等の畦畔から水田へ侵入するおそれのある雑草にも効果があります。
- クズ等のつる性雑草には枯殺効果があります。
[散布方法・散布薬量]
- 10a当たり薬量500mlを、通常散布の場合は水50~100L(100~200倍液)、少量散布の場合は水25L(50倍液)に希釈します。
- 法面(傾斜地)などで面積換算が難しい場合は、200倍液(例:薬液100mlを水20Lに希釈)を雑草の茎葉部が十分濡れるように散布してください。いずれの場合も展着剤は不要です。
- 水稲への直接散布は、絶対に避けてください。また、野菜、果樹へのドリフトにも十分注意してください。
- 「霧なしノズル」を用いて雑草の茎葉部が十分濡れるように散布してください。「通常ノズル」を使用する場合はドリフト防止のカバーを使用し、水稲や他作物へドリフトしないように注意してください。
[散布時期]
- 雑草の刈り取り後、再生初期(草刈り10~15日後、草丈10cm程度)に散布してください。
- 刈り取りをしないで散布すると、草種によっては抑草効果が不十分となる場合があります。
- 刈り取り後、再生初期の散布による抑草期間は、草種・時期によって異なるが、チガヤの場合は40~50日程度です。地域の刈り取り時期、回数、草種に合わせた体系処理も可能です。

● 殺クズ剤として使用する場合
グラスショート液剤は、特にマメ科雑草に茎葉処理で卓効を示します。また、土壌処理では特長を十分に発揮できないので下記の点に注意し、使用してください。
[使用場所]
果樹および有用植栽木の近くでの使用は避けてください(茎葉部へのドリフトは葉の黄化、落葉、枯死などの薬害を、樹冠内・根元の散布は根部からの吸収による薬害を生じることがあります)。
[処理方法など]
- 雑草茎葉散布の場合
- 10a当りの面積換算では薬量1000mlを水100L(100倍液)に希釈する方法を標準とします。
- 茎葉からの吸収移行により効果を発揮します。従ってクズの茎葉部が十分濡れるように散布してください。展着剤は不要です。
- 水稲への直接散布は、絶対に避けてください。また、野菜、果樹へのドリフトにも十分注意してください。
- 「霧なしノズル」を用いてクズの茎葉部が十分濡れるように散布してください。「通常ノズル」の場合、ドリフト防止のカバーを使用し、水稲や他作物へドリフトしないように注意してください。
- 10a当りの面積換算では薬量1000mlを水100L(100倍液)に希釈する方法を標準とします。
- つる処理の場合
- 処理位置は、株元から50cm以内とし、刃物などで外皮を木質部が見えるくらいに剥皮して、薬液が十分付着するように滴下してください。
- 株頭が大きく、複数のつるが出ているものは、すべてのつるに薬液を処理してください。
- 処理位置は、株元から50cm以内とし、刃物などで外皮を木質部が見えるくらいに剥皮して、薬液が十分付着するように滴下してください。
[クズの生活環]
- (1)種子からの発生と多年生茎からの発生があるが、どちらも桜の開花期以降に萌芽を始め、梅雨時期頃までは緩慢に伸長します。
- (2)梅雨時期にはいると急激に伸長速度を速め、7月下旬~8月上旬にピークに達します。その後猛暑の時期は一時期生育を休止します。
- (3)9月にはいると再び伸長が旺盛になり、このころ開花し、種子をつけます。その後主根(貯蔵根・塊根)に養分を貯蔵し、11月上旬頃より葉が黄化始めます。
- (4)12月に入るとほとんどの葉が落葉し、種子が完熟(発芽しないもの・発芽しやすいもの・複数年発芽しないものの3種ある)して飛散します。茎はそのまま休眠状態に入り、多年生茎となり次年度の発生源となります。
[処理時期]
- 雑草茎葉散布の場合
- 上記(1)の生育初期(クズの草丈:0.5~1m程度)に刈り取りをせず茎葉部が十分濡れるように散布してください。
- 上記(2)の生育ピーク時にクズを刈り取り、再生初期(草刈り5~7日後、草丈50cm程度)に茎葉部が十分濡れるように散布してください。
- 上記(3)の再生育・貯蔵物転流期にクズを刈り取り、再生初期(草刈り10~15日後、草丈30~50cm程度)に茎葉部が十分濡れるように散布してください。
- 刈り取りをしないで散布するには、全ての茎葉が十分濡れるように散布してください。
- 上記(1)の生育初期(クズの草丈:0.5~1m程度)に刈り取りをせず茎葉部が十分濡れるように散布してください。
- つる処理の場合
- 生育初期(5~6月)に上記処理方法のように薬液を処理してください。
やっかいなクズにも枯殺効果があります
▽広島県内、平成13年5月28日散布
散布前 | 散布24日後撮影 |
注意事項
注意事項
- 使用量に合わせ薬液を調製し、使いきってください。
- 展着剤の加用の必要はありません。
- 雑草の生育期に薬液が雑草の茎葉全体に均一にかかるようにしてください。また、雑草が大きくなりすぎると効果が低減するので時期を失しないように散布してください。
- 公園、堤とう等において、体系で使用する場合、2回目の処理は、1回目処理後、40~50日後に実施してください。
- 散布後6時間以内の降雨は効果を減ずることがあるので、天候を見極めてから散布してください。
- 蚕に対して影響があるので、周辺の桑葉にはかからないようにしてください。
- 低温下では効果の発現が遅れることがあります。
- 雑草の種類によっては効果が変動する場合があります。
- クズのつる注入処理をする際の注意事項
- 処理位置は、株元から50cm以内とし、刃物などで外皮を木質部が見えるくらいに剥皮して、薬液が十分付着するように滴下してください。
- 株頭が大きく、複数のつるが出ているものは、すべてのつるに薬液を処理してください。
- 処理位置は、株元から50cm以内とし、刃物などで外皮を木質部が見えるくらいに剥皮して、薬液が十分付着するように滴下してください。
- 水稲に直接かからないようにしてください。
- 幼穂形成期から乳熟期の水稲に飛散した場合、出穂、籾の品質に影響することがあるので、散布にあたっては飛散防止ノズルを使用してください。
- 水稲以外の作物および有用植栽木の茎葉部へ薬液が飛散した場合、葉の黄化、落葉、枯死等の薬害が発生するので、田畑、果樹園などの周辺では流入、飛散に十分注意してください。
- 少量散布は専用ノズルを使用をしてください。
- 散布や調製に使用した器具・ホース等は水洗い、水通しをしてください。
- 公園、堤とうなどで使用する際の注意事項
- 水源池、養殖池などに飛散、流入しないように十分注意してください。
- 散布器具、容器の洗浄水および残りの薬液は河川等に流さず、容器等は環境に影響を与えないよう適切に処理してください。
- 水源池、養殖池などに飛散、流入しないように十分注意してください。
- 使用にあたっては、使用量、使用時期、使用方法などを誤らないように注意し、特に初めて使用する場合は、病害虫防除所等関係機関の指導を受けることをお勧めします。
安全使用上の注意
- 眼に対して刺激性があるので眼に入らないように注意してください。眼に入った場合には直ちに水洗し、眼科医の手当てを受けてください。
- 皮ふに対して刺激性があるので皮ふに付着しないよう注意してください。付着した場合には直ちに石けんでよく洗い落としてください。
- 使用の際は保護メガネ、農薬用マスク、手袋、長ズボン・長袖の作業衣などを着用してください。作業後は手足、顔などを石けんでよく洗い、うがいをするとともに洗眼してください。
- かぶれやすい体質の人は取扱いに十分注意してください。
- 公園、提とうなどで使用する場合には、小児や散布に関係のない者が作業現場に近づかないように配慮するとともに居住者、通行人、家畜などに被害を及ぼさないように注意を払ってください。また散布後にあっても、少なくともその当日は散布区域に立ち入らないよう縄囲いや立て札を立てるなど配慮してください。
- 使用残りの薬剤は必ず安全な場所に保管してください。
- 魚毒性等…水産動植物(魚類)に影響を及ぼすおそれがあるので、養魚田周辺での使用には注意してください。
- 保管…密栓し、直射日光をさけ、食品と区別して、冷涼な場所に保管してください。