【水稲/殺虫・殺菌剤】
エバーゴルプラス箱粒剤
イミダクロプリド・クロラントラニリプロール・イソチアニル・ペンフルフェン粒剤
公益財団法人日本中毒情報センターへの問い合わせ方法は「一般市民向け受信相談について」をご参照ください。
登録番号 | 第23627号 [クミアイ化学工業㈱ 登録] |
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成分 | イミダクロプリド 2.0% クロラントラニリプロール 0.75% イソチアニル 2.0% ペンフルフェン 2.0% |
性状 | 類白色細粒 |
毒性 | 普通物(毒劇物に該当しないものを指していう通称) |
危険物 | 非該当 |
販売地域 | 全国 |
有効年限 | 4年 |
包装 | 1㎏×12袋、10㎏×1袋 |
作用機構分類番号 (RACコード) |
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- チラシ・技術資料関連
- その他関連情報
特長
- 稲の主要病害虫に優れた効果と残効性を発揮
イネの主要病害虫であるいもち病、紋枯病、イネミズゾウムシ、イネドロオイムシ、ツマグロヨコバイやチョウ目害虫のコブノメイガ、フタオビコヤガなどに優れた効果を発揮します。
- 紋枯病防除剤エバーゴル(有効成分ペンフルフェン)配合!
エバーゴルプラス箱粒剤は紋枯病防除剤ペンフルフェン、いもち病防除のルーチン(有効成分イソチアニル)を含む4つの有効成分を含んだ育苗箱施用剤です。
- 浸透性・移行性に優れ、長い残効性
各有効成分とも浸透移行性に優れ、長い残効性があります。
- は種時から田植え当日まで使用可能
は種時覆土前~田植え当日まで、幅広い処理時期を可能にしました。
適用病害虫と使用方法
作物名 | 適用病害虫名 | 使用量 | 使用時期 | 本剤の使用回数 | 使用方法 | イミダクロプリドを含む農薬の総使用回数 | クロラントラニリプロールを含む農薬の総使用回数 | イソチアニルを含む農薬の総使用回数 | ペンフルフェンを含む農薬の総使用回数 |
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稲(箱育苗) | いもち病 白葉枯病 内穎褐変病 穂枯れ(ごま葉枯病菌) 紋枯病 ウンカ類 イネミズゾウムシ イネドロオイムシ コブノメイガ ニカメイチュウ フタオビコヤガ ツマグロヨコバイ イネツトムシ | 高密度には種する場合は1kg/10a(育苗箱(30×60×3cm、使用土壌約5L)1箱当り50~100g) | 移植3日前~移植当日 | 1回 | 育苗箱の上から均一に散布する | 3回以内(但し、移植時までの処理は1回以内、本田での散布は2回以内) | 1回 | 3回以内(但し、移植時までの処理は1回以内、本田では2回以内) | 1回 |
育苗箱(30×60×3cm、使用土壌約5L)1箱当り50g | は種時(覆土前)~移植当日 | ||||||||
いもち病 紋枯病 ウンカ類 イネミズゾウムシ イネドロオイムシ コブノメイガ ニカメイチュウ フタオビコヤガ ツマグロヨコバイ イネツトムシ | は種前 | 育苗箱の床土又は覆土に均一に混和する | |||||||
疑似紋枯症(赤色菌核病菌) 疑似紋枯症(褐色菌核病菌) 疑似紋枯症(褐色紋枯病菌) もみ枯細菌病 | 移植当日 | 育苗箱の上から均一に散布する | |||||||
高密度には種する場合は1kg/10a(育苗箱(30×60×3cm、使用土壌約5L)1箱当り50~100g) |
各有効成分の作用機構
ペンフルフェンの作用機構
ペンフルフェンは、病原菌のミトコンドリア電子伝達系の複合体IIたんぱく質(コハク酸脱水素酵素)に作用してエネルギー代謝を妨げます。その結果、病原菌の生活環における主たる生育段階、すなわち菌糸伸長、胞子発芽、発芽管伸長、胞子形成などを強く阻害することが認められています。特に担子菌類のリゾクトニア属菌に対しては低薬量で優れた効果を示します。
イソチアニルの作用機構
イソチアニルは、イネ自身が本来持っている病害抵抗性機能を増強させる植物病害抵抗性誘導型殺菌剤です。
イソチアニルは、処理後速やかに根部より吸収されイネ体内に移行し、さまざまな病害抵抗性関連の防御反応をイネ体内に誘導します。この時点からイネは、病原菌の侵入に備える自己防御態勢(プライミング状態)を整えます。このようにイソチアニルは、イネが先天的に備えてる自己防御機構を増強させ、いもち病や白葉枯病などからイネを守ります。
イミダクロプリドの作用機構
イミダクロプリドは、シナプス後膜(ニコチン型アセチルコリンセプター)に作用し、神経を興奮させた後に遮断し、昆虫の活動低下を引き起こします。また、イミダクロプリドは口や皮膚から昆虫体内に容易に取り込まれ速効的な殺虫活性を示しますが、致死濃度以下でも全身的な弛緩や運動能力の低下を引き起こし、摂食、吸汁活動や歩行、飛翔行動を妨げ、交尾、産卵などの行動を抑え、その効果は長期間続きます。
強い殺虫活性とその後の長期間にわたる制虫剤的な作用が従来剤に見られないイミダクロプリドの大きな特長です。
クロラントラニリプロールの作用機構
クロラントラニリプロールは、昆虫の筋収縮を誘発する新しい作用性を持つ殺虫剤です。筋肉細胞の筋小胞体は細胞内のカルシウムイオン濃度を調整することにより筋肉の収縮・弛緩をコントロールしています。クロラントラニ リプロールは筋小胞体のリアノジン受容体(RyR)に結合して筋小胞体内のカルシウムイオンを細胞内に放出させます。その結果、昆虫は筋収縮を起こし速やかに活動を停止し、死亡します。
注意事項
注意事項
- 使用量に合わせ秤量し、使いきってください。
- 床土または覆土に混和処理する場合、処理後速やかに使用してください。また処理した床土または覆土を放置しないでください。
- 育苗箱(30×60×3cm、使用土壌約5L)1箱当りに乾籾として200から300g程度を高密度には種する場合は、10a当りの育苗箱数に応じて、使用量が1kg/10aまでとなるよう、育苗箱1箱当りの薬量を50から100gまでの範囲で調整してください。
- 極端な低温での育苗条件では生育抑制を生じるおそれがあるので、温度管理に注意してください。
- 梅雨明け後の高温時の晩期栽培では、は種前及びは種時の処理により薬害が生じるおそれがあるので、これらの時期での使用をさけてください。
- 軟弱徒長苗、むれ苗、移植適期を過ぎた苗などには薬害を生じるおそれがあるので注意してください。
- 本田の整地が不均整な場合は、薬害を生じやすいので、代かきは丁寧に行い、移植後田面が露出しないように注意してください。
- いぐさ栽培予定水田では使用しないでください。また、処理した稲苗を移植した水田ではいぐさを栽培しないでください。
- きく等の他作物に影響を及ぼす場合があるので、薬剤が育苗箱からこぼれ落ちないように散布してください。また、土壌全面に不透水性無孔シートを敷くなど、薬剤処理後の灌水による土壌への浸透をさけてください。
- 使用に当っては、使用量、使用時期、使用方法を誤らないように注意し、特に初めて使用する場合には病害虫防除所等関係機関の指導を受けることをお勧めします。
安全使用上の注意
- 誤食などのないよう注意してください。
- かぶれやすい体質の人は取扱いに十分注意してください。
- 魚毒性等
- 水産動植物(魚類)に影響を及ぼすので、使用した苗は養魚田に移植しないでください。
- 水産動植物(魚類、甲殻類)に影響を及ぼすので、移植後は河川、養殖池等に流入しないよう水管理に注意してください。
- 散布器具及び容器の洗浄水は河川等に流さないでください。また、空袋等は水産動植物に影響を与えないよう適切に処理してください。
- 水産動植物(魚類)に影響を及ぼすので、使用した苗は養魚田に移植しないでください。
- 保管…密封し、直射日光をさけ、食品と区別して、冷涼・乾燥した場所に保管してください。