に 頼たよっ て い た 病 害 虫 の 防 ぼう除じょ方究 開 発 に つ い て し紹ょう介かいし ていきクジラの油やタバコの殺虫成分を利用したりと、昔は天然物法を大きく変えたのが科学の力を結集した農薬です。その研ましょう。農薬の研究開発と科学 これまでは化学物質でできた農薬がほとんどでしたが、近年は自然物質でできた農薬も び せいぶつ開発されています。たとえば良い微生物で病 び せいぶつ はんしょく おさ気を引き起こす微生物の繁殖を抑えたり、害 てんてきこんちゅう虫を食べてしまう天敵昆虫など、生物を利用した農薬が注目されています。また、作物が ていこうりょく本来持っている病気への抵抗力をより強く はっ き発揮させるという、新しい発想による農薬も開発されるようになりました。科学を基本としながら自然界の仕組みを上手に取り入れることで、これからも農薬は効用と安全性を向上させていきます。 てき農薬づくりは、まず敵を知ることから。その害虫はどんな習性を持ち、体はどんな化合物 さいきん かんでできているのか?カビや細菌は、どんな環きょう境条件だと増えやすいのか?そんな病害虫のことを知ったうえで効果的かつ安全な農薬をつくり出すために、研究所では薬学・植 こんちゅう かんきょう物病理学・生理学や昆虫学、毒性学から環境 せんもん か科学などにいたる専門家たちが力を一つに はげして励んでいます。また、さまざまな試験を く さが何度も繰り返しながら新しい農薬成分を探し出し、効果や安全性を評価していきます。こうして10年以上の年月と約250億円〜 ほうりつ300億円の費用をかけて、新しい農薬は法律 みと的にも社会に認められるのです。42多くの年月と費用をかけて、新しい農薬は生まれるよ。自然界の仕組みを上手に取り入れながら、農薬は進化していきます。科学する目を持って、農薬の明日へ。科学の力を結集した農薬は、このようにつくられていきます。そして、みんなの未来へ。
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