せんたくせいこう そせんたくせい こう そ こう そ かせんたくせい選択性①いっぱんてき やくざい一般的に薬剤が作用する量は対象生物の大きさ(生育ステージ)に比例し、体が大 せんたくせいきいほど必要な量が多くなります。これが、一つ目の「選択性」です。 たとえば害虫の体重に対して人間の体重は1万〜10万倍 えいきょう以上もあるので、殺虫作用をもたらす薬量では人に影響をおよ なえ及ぼしません。同様に苗まで育てたイネに比べて種子から発芽した雑草のヒエのほうが小さいので、イネには安全な じょそうざい か除草剤の量でヒエだけを枯らすことができるのです。選択性②「分解酵素」を持たない病害虫・雑草だけをターゲットに。 よお酒に強い人と弱い人がいますね。すぐに酔ってしまう人は、アルコールを分解す こう そ せんたくせいる酵素の量が体質的に少ないといえます。そんな「選択性」も、農薬の効果や安全性に関係してきます。たとえば、ある除草剤の成分に対してイネは分解できる酵素を持っているので無害ですが、分解する酵素がないヒエは枯れてしまうのです。選択性③ せいごう生物の体はいろいろな化合物で構成されており、それらをつくり出す経路を「生合せいけいろ成経路」といいます。ここで着目したいのは、人にはつくり出せない一方で、病害虫 せんたくせいや雑草にはつくり出せる化合物があるということ。この「選択性」を利用した農薬 さっきんざい びょうげんきん かべ は かいもあります。ある殺菌剤は、病原菌(カビ)だけが持っている細胞の壁を破壊しま じょそうざい ひっす せいごうせいけいす。また、ある除草剤は、必須アミノ酸の「生合成系」 ひっす せいごうせいけいを阻害します。もともと人は必須ミノ酸の「生合成経 ろ えいきょう およ路」を持っていないので、影響を及ぼさないのです。せんたくせいやくざい せっしゅりょう せいごうせいけいろ41こんな「選択性」に着目して、農薬は開発されます。安全な薬剤の摂取量は、体の大きさで決まります。固有の「生合成経路」に注目した農薬もあります。
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