トウガラシとジャガイモをまもるはなし
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  3 そし さぐ                   みな     せんたくせい                                                                                 響きょをう 及およぼしません。たとえるなら、そ           農薬は、雑草や害虫・び病ょう原げん菌きんの習性や組織などを研究したうえで固有の弱点にだけ効くようにつくられています。このメカニズムを「選せん択たく性せい」といい、農薬の安全性を考えるうえでとても重要です。ある殺さっ菌きん剤ざいの成分はカビなどび病ょう原げん菌きん の  弱  点  に 効  果  を 発 はっ揮きするものの、人や動植物、自然か環んき境ょう に  は え影いの殺さっ菌きん剤ざい が  持  つ  成  分  = 「か■ぎ」が対象となるび病ょう原げん菌きん の  弱  点  = 「■かぎ穴あな」だけにピタリとはまって、効用のドアを開けることができるからなのです。科学の力でこの「■かぎ」をつくることが、農薬づくりのキーポイントといえるでしょう。えいきょう あたかぎ    かぎあな「せ選んた択くせ性い 」 を  は  じ   め  と  し  た  科  学  的  な論ろん拠きょに基づき、開発・製造される農薬。そ                                                                   の上で安全性については、法的にも二重、三重の配はい慮りょがされています。たとえばせ摂っし取ゅり量ょうは単に体の大きさ(生育ステージ)に比例するから安心というのではなく、人がし生ょう涯がい に  わ た  り  毎  日 摂とり続けてもえ健いき康ょう に  影  響  を与あたえないと考えられる体重1kg当たりの農薬の基準量が定められています。また農作物に残留する農薬についても安全な量が決められているほか、安全性が評価された農薬だけが登録・ は販ん売ばい・使用することが許されます。「選択性」とは、「鍵」と「鍵穴」の関係にたとえられます。さらに二重、三重の安全基準を満たす農薬。農薬の効果と安全性を、科学の目で探っていこう。「農薬は、どうして人ぼく に 影ぎも響ん  を  与せえんずたくにせい 病  害  虫  だ  け に  効くてのん?」。そんな皆さんの素朴な疑問に、「選択性」という科学の視点から解説していきましょう。知れば知るほど、農薬づくりの先進性を実感できるでしょう。   40農薬なるほどノート

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