安全・安心かつより効果の高い農薬をつくるために、さまざまな科学技術が応用されます。また、その開発には10年以上の年月と、約250〜300億円もの費用が必要です。農薬の研究開発と科学農薬は、自然物質でできているものも多く びあります。なかでも注目されているのが、微せいぶつ生物などの生物を利用した農薬です。たとえ なっとうきん きんば、納豆菌の仲間のバチルス菌を成分とす さっきんざい ぼうる殺菌剤は、ミカンなどの灰色かび病を防じょ きん びょうげんきん たいじ除します。つまり、菌によって病原菌を退治 てんてきこんちゅう さっするのですね。また、天敵昆虫を利用した殺ちゅうざい虫剤もあります。リンゴやミカンの害虫・ダニ てんてき類の天敵であるカブリダニが彼らをやっつ えいきょう およけますが、作物には影響を及ぼしません。42生物の利用も、農薬づくりの一つの農薬をつくるために、10年以上の時間がかかるよ!新しい流れです。科学する目を持って、農薬の明日へ。そして、みんなの未来へ。アイデアあふれる農薬が、次々に生まれている。はば せんもんか はげ幅広い分野の専門家が、日々、研究開発に励む農薬。その成果の一つが、作物を元気にし さっきんてあげる農薬です。これまでのように殺菌するのではなく、作物が本来持っている病 ていこうりょく はっき気への抵抗力をより強く発揮させます。 かじゅまた、リンゴやミカンなどの果樹は、新しい の枝が伸びるほど実もたくさん生ると思いがちですが、そうではありません。枝の成長に養分がいってしまうため、実がつきにくくなるのです。そこである農薬は、植物ホルモ のンを調整しながら枝が伸びにくくして実のしゅうかく収穫を向上させます。
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