リンゴとミカンをまもるはなし
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ある調査によると、農薬を使用しない場合の収穫量はイネで約24パーセント、リンゴはなんと約97パーセントも減少するそうです。それだけに、害虫や病気、雑草を防除する農薬が欠かせません。まいます。そこで遠い昔、野生だった食用として品種改良されるとともに、なのです。たとえば、南米の山地で育っていたころのジャガイモは天然ないと食べられませんでした。長い年月をかけて品種改良したことで、今ではそのまま食べることができます。                                                                    ぼうじょおぎな植  物  に  と  っ  て  、 葉  や 茎 くき、根などが食べら  れ  る  と  成  長  で  き  な  い  の  で 困こまってし植  物  は  、有   害  な  物  質  や 苦にがみ成分などで外がい敵てきから身を守っていました。やがて低  下  し  た  毒  性  や 苦 にがみ成分などの「防衛力  」 を  、 科  学  の  知 ち恵えで支えるのが農薬毒  素  を  持  っ  て  い  た  た  め  、ア  ク  抜 ぬきをししゅうかくりょう じぞくかのうせい地  球 か環んき境ょうの  視して点んから農薬の必要性にデ  ン  の  あ  る  博  士 は エSスデDィーGジsーズの※考え方の基 き礎そとなった本の中で、これ以上農地大  き  す  ぎ  る  と け警いし鐘ょうを鳴らしています。あ  る  農  地  の  範はん囲いな内い で  作  物  の し収ゅう穫かく量りょをうあ  げ  る  こ  と  が  重  要  に  な  り ま  す  。地   球 環かん実  現  には配い慮りょし  な が  ら  、植  物  の め恵ぐみをいた  だ  く  と い  う  考  え 方  は エSスデDィーGジーsズ※の実ついて考えていきましょう。スウェーを広げることは地球へのダメージがそうなると科学的に安全性が評価されている農薬を上手に使いながら、今き境ょうに え影いき響ょうを  与  え  ず  持じぞ続く可かの能うな社会の現をめざす未来にとって重要です。農薬は、作物の「防衛力」を補っています。農薬の大切さを、“持続可能性“から考えてみる。1なぜ、作物に農薬が必要なの? [ 農 薬 ]知っトク教室35ジャガイモがいてき化学的防衛物理的防衛トマトサボテン※1 生産者がきちんと管理しているので、お店で売っている農作物は安心です。※2 皮や芽、緑色の部分を取り除かずに食べて食中毒になった事例があるので注意しましょう。※3 普通の量を食べていれば特に問題はありません。※2015年に国連総会で採択された「持続可能」な開発目標。芽や緑色の部分には、天然毒素のソラニン・チャコニンがふくまれています。※1※2ガラスの原料でもあるケ             くきイ素という物質で茎や   かた葉を硬くしています。イネさいたくみじゅく未熟の緑色のトマトには、トマチンという天然毒素がふくまれています。※1※3       がいてきトゲにより外敵から身を              じょう守るとともに、水分の蒸はつ発を防いでいます。外敵に対する植物の防衛例

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